A-stories「タブーなき買収」インタビュー 中村直人弁護士

 相手の承諾を得ずに突然、買収を提案する「同意なき買収」。決め手は買収価格といわれるが、実務面で課題はないのか。企業法務に詳しいベテランの中村直人弁護士に聞いた。

 ――指針の影響をどうみますか。

 「指針が出たことで、市場より高い値段で提案があったら、取締役会としては会社を売らないといけなくなりました。ターゲットになりそうな会社はとても心配しています。多くの企業が事業構造の組み替えを必要としているため、敵対的な買収であっても否定する声は聞こえてきません」

 ――セブン&アイ・ホールディングスに外資が買収を提案しました。

 「社外取締役でつくる特別委員会で提案を検討するなど、セブン&アイは指針が示した手順を踏んでいるようにみえます。今後は外資が買収価格を引き上げ、それでも拒否されれば株式公開買い付け(TOB)に踏み切って買収しようとする展開も十分ありえます」

買収提案のポイントは「価格」と「経営プラン」

 ――指針に法的な拘束力はな…

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