李恩珠さんの初エッセー「私は神々のケアラーです」(左)と、昨年出版した「ケアの温度」。いずれも未邦訳

【連載】老いる韓国 「超高齢化」のリアル 第8回

 韓国は日本を超えるペースで「超高齢社会」へと進んでいます。療養保護士(介護福祉士)の資格を持つ翻訳家・作家の李恩珠(イウンジュ)さんは、高齢者のケアの現場をやわらかい目線で書いたエッセー集を次々と出版し、韓国で共感を集めました。日本への留学経験もある李さんに今、韓国で何が起きているか、日韓の違いなどを聞きました。

 ――韓国では最近、高齢化や介護について書かれた本が多く出るようになったそうですね。

 これまでは米国や日本などの翻訳本が中心でした。上野千鶴子さんや鎌田實さんの著書、日本の介護施設について書いた鹿子裕文さんの「へろへろ」(ナナロク社)などがよく読まれました。

 ここ数年は韓国でも、介護について書かれた本がどんどん出るようになりました。多くの人々が求めていることがわかります。私もケアについて書いた3部作のエッセーを発表しました。

【連載】老いる韓国 「超高齢化」のリアル

日本を上回るペースで進む韓国の「超高齢化」について報告します。超少子化、移民に続き、韓国の人口問題を考えるシリーズの第3弾となります。全9回。うち第5回までは韓国の現場の動きを紹介。第6回は日韓連携の可能性を探ります。第7回以降はインタビュー編となります。

  • 【第1弾】「出生率0.72」の韓国 超少子化社会のリアル
  • 【第2弾】「移民」争奪戦 韓国のリアル

 ――若者の高齢者に対する視線が変わっているな、と感じます。

 韓国では社会全体が「怒り」…

共有
Exit mobile version