6月上旬、JR秋田駅前のホテルで「外国人材の活用について」と題する講演があった。「単なる労働者ではなく、共に働く仲間と捉えることが重要なポイント」などと共働を促す内容だった。
講演後に質問を募った。だが、参加者から手は挙がらなかった。
講演を依頼したJA共済自動車指定工場秋田県本部協力会の山王丸洋一会長は「率直なところ、国内人材もまだ十分に生かし切れていない。外国人を安易に採用すると、逆に人材確保が遠回りになってしまうのではないか」と懸念した。
厚生労働省などの統計によると、秋田県は2024年10月現在、外国人を雇用する事業所数、外国人労働者数ともに全国で最も少ない。外国人労働者の割合も「133人に1人」と全国最低だ。
県が24年9~10月、県内企業を対象に行ったアンケート(605社が回答)では、外国人労働者を「雇用する予定なし、検討していない」と答えた企業は7割で、日本人の採用を優先している(46.7%)▽コミュニケーションが難しい(42.6%)▽宗教や生活習慣等の対応が難しい(30.5%)――などを理由に挙げた。
県産業労働部雇用労働政策課の佐々木太樹也・就業支援チームリーダーは「これまでは必ずしも必要性を感じず、文化や生活習慣の違い、地域社会の理解を得られるかなど不安が先立っていた」と振り返る。
だが、そんな秋田も、変わりつつある。
「外国人材を活用しなければ、地域の維持は難しい」
国立社会保障・人口問題研究…