新NISA(少額投資非課税制度)が始まって1年となり、当初の勢いは影を潜めている。昨夏の株価乱高下の影響はあったのか。これから証券会社に求められるものは何か。業界団体である日本証券業協会の森田敏夫会長にたずねた。
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――新NISAの現状は。最近は減速感も漂っています。
「基本的には順調なスタートが切れたと考えている。金融庁の発表によれば、口座開設数は昨年9月で2500万を超え、18歳以上の『4人に1人』がNISAを利用している。また認知度が上がり、今は使っていなくても興味を持っている人もかなりいるはずだ。ただ、口座開設のペースは落ちている。そういう意味で、踊り場になってきているのは事実だ」
――昨年8月に株価が急落した影響が出ているのでは。
「それも一部ある。ただ、8月の株価急落のときは投資家の冷静な反応が目立った。以前からNISAに関心のあった人たちが実際に始めたことで、一巡したのではないか。今後は、興味はあるけれども踏み出せない人たちに対し、新NISAの中身などを丁寧に説明していきたい」
――始めたのはいいが、戸惑う利用者たちもいます。
「投資について学びたい人た…