【福岡】インドネシア・バリ島で5月21日にあった第10回世界水フォーラムで、筑紫野市の私立リンデンホールスクール中高学部の高校1年生の田中佑樹さん(15)が河川環境の改善を訴えた。九州大学の学生や教員とともに参加し、久留米市の筑後川で50種類以上の魚などが絶滅の危機に直面している状況を、各国からの参加者へ英語で発表した。
世界水フォーラムは、政府機関や企業、NPOなど様々な立場の人が一堂に会して、水に関わる問題について議論する場だ。久留米市で生まれ育った田中さんは、子供の頃から慣れ親しんできた筑後川について調べるうちに、水質の悪化や絶滅危惧種の存在などの問題に気づいたという。とりわけ絶滅危惧種の多さに危機感を覚え、その現状を紹介して解決の必要性を訴えた。
国際的なフォーラムに初めて参加したという田中さんは、特にアルジェリアの発表に驚いた。隣国でダムが建設されたことにより水不足が生じ、生態系のバランスが崩れた地域があるという。「自分は当たり前に使っていた水だが、世界には水で困っている人がたくさんいると知り、水の大切さをより感じた」と話した。
これからは、絶滅危惧種の産卵場所の整備などを行い、保護につなげたいという。そのために、まずは地元のイベント「水の祭典久留米まつり」で、保護のためのお金を募る予定だ。(中村有紀子)