通信制課程の設置認可がおり、PR用のパネルを掲出した松尾圭子校長(左)ら=2024年11月8日、福岡市中央区警固2丁目

 筑紫女学園高校(福岡市中央区)が来年度、通信制課程を新たに開設する。8日付で国の設置認可を受けた。同校は「学校以外での活動と、大学進学を両立できる教育機会を提供したい」と話す。

 通信制課程は福岡・熊本両県在住の女子が対象で、初年度の募集定員は80人。登校は週1~2回で、オンライン学習やリポート課題を併用することにより、学校外での活動やスポーツ、芸術などに時間を使うことができる。

 同校は1907年に高等女学校として創立。「自立した女性の育成」を掲げ、国立大や医学部への進学に力を入れる。全日制課程でのノウハウを生かして、通信制でも大学受験に向けたカリキュラムを提供する。

 文部科学省の調査によると、年間30日以上登校せず「不登校」とされた小中学生は、昨年度34万6482人に上り過去最多を更新した。

 学びのニーズが多様化する中で、同校は昨年から本格的に通信制設置の検討を始めた。松尾圭子校長は「学校に通う、通わないではなく、学びを止めないのが一番。通信制にも課題はあるが、社会に出て人とつながる道筋をつけることができると思う」と意義を語った。

 既存の通信制では高卒資格の取得や就職に軸足を置いていることが多いといい、同校の担当者は「全日制から転入・編入した生徒も、進学に向けた学びを継続できるよう支援したい」と話す。

 12月に新入生を対象とした作文や面接などの入学試験がある。今月15日と12月3日に同校で、今月30日にはTKP熊本カンファレンスセンター(熊本市中央区花畑町)で説明会を開く。(上田真美)

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