「姨捨の棚田」。重要文化的景観に選定されている=5月7日、長野県千曲市

現場へ! 文化財どう活用(4)

 7月初め、京都市内で、重要伝統的建造物群保存地区制度の創設50周年を記念するシンポジウム「まちなみを紡ぐ人々のあゆみ」が開かれた。

 「主役」として表彰を受けたのは、制度発足の翌年の1976年に選定された角館伝建群保存地区の町並みを守る会(秋田県)、妻籠を愛する会(長野県)、祇園新橋景観づくり協議会(京都市)、萩市堀内町内会(山口県)などの関係者らだ。

 古い状態をよく残す商家町や武家町などの集落を保存地区として選ぶ、この制度。文化庁によれば、2024年8月時点で全国の129地区が該当地区に選定されている。

 シンポでは、町並みが観光資源として注目を集める一方、観光客がプライベートな空間にまで立ち入ってきたり、保存会員の高齢化で維持に支障をきたしたりしている現状が報告された。

 歴史的な町並みの保全などに…

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