プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=は4日(日本時間5日)に米ラスベガスであった防衛戦で、8回45秒TKO勝ちを収めた。
井上は試合後、次は9月に日本で世界ボクシング協会(WBA)同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30)=ウズベキスタン=と対戦すると明言。12月にはサウジアラビアでWBAフェザー級王者ニック・ボール(28)=英国=への挑戦が計画されている。
これら、今年の井上の旅程表はある意味、ボクシング界の「勢力図」の上を歩むとも言える。
米国での試合は基本的に、ラスベガスを拠点に50年以上にわたってボクシング界に君臨してきた老舗トップランク社の主催興行で行う。
日本では大橋、帝拳の両有力プロモーションが中心。
そして、サウジアラビアの興行は実質的に同国総合娯楽庁の主催だ。彼らは今、桁違いのオイルマネーを武器にボクシング界を席巻している。
今年2月、メキシコの人気ボクサー、サウル・アルバレスと4試合4億ドル(約575億円)の契約を締結。ヘビー級3団体統一王者オレクサンドル・ウシクもサウジ系プロモーションと数億ドル規模で複数試合契約を結んだとされる。世界中の有力ボクサーが続々と傘下に入っている。
ただ、その運営は非民主的だと指摘する声もある。
米ボクシング専門サイト「ボ…