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今月5日の埼玉県越谷市のスーパーの米売り場。一部の商品が品切れになっていた=2024年8月5日午後、埼玉県越谷市、山田暢史撮影

 米の品薄が続いている。昨年の猛暑と訪日客の増加に加えて、新たな要素も。店頭から消えた米はいつ戻ってくるのか。

 「なんでないんだろう」

 青森県平川市の男性農家(72)は、スーパーなどで米の欠品や購入制限が続く状態に、首をかしげる。約20ヘクタールの水田で米を育てているが、2023年産米の生産量は例年通り。実際、農林水産省によると、23年産米の全国の作況指数は「平年並み」だった。

「目減り幅が大きかった」

 だが、山形県高畠町の男性農家(65)は「精米したときの目減り幅が例年より大きかった」と明かす。

 米には収穫したままの玄米と、玄米を精米して胚芽(はいが)やひび割れた粒などを取り除いた白米がある。作況指数で「平年並み」だったのはあくまで玄米の状態。この男性農家は自ら精米してレストランなどに卸しているが、精米後に残った白米の量が例年よりも2~3%少なかったという。

 農水省の推計によると、精米後に白米として残る量の割合は23年産米が90.6%だった。22年産までの10年間の平均91.4%を0.8ポイント下回り、過去10年で最低だった。

米どころで1等米が激減

 精米した時の歩留まりが悪化…

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