米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は23日、米西部ワイオミング州ジャクソンホールの経済シンポジウムで講演した。今後の金融政策について「調整する時がきた」と指摘。9月の金融政策を決める会合での利下げをほぼ明言した。
9月17、18日の次回会合で利下げすれば、FRBとしては今回のインフレ(物価高)局面で初めてとなる。新型コロナ後の激しいインフレを抑えるため、FRBは2022年3月に利上げを始め、現在は01年以来の高い政策金利を1年以上にわたって維持している。
パウエル氏は講演でコロナ後の経済情勢を振り返り、「主眼はインフレ率の低下だった」と指摘。「課題は完了したわけではないが、かなり前進した」とインフレは鈍化しているとの認識を強調した。
一方で、失業率の上昇などに触れ「労働市場はかつての過熱状態からかなり冷めた」として、「インフレが上ぶれるリスクは減り、雇用の下ぶれリスクが増加している」と指摘。FRBがインフレ抑制から、雇用情勢など景気への目配りに重心を移す必要があるとの認識を示した。利下げの時期やペースは、「今後発表されるデータによって決まる」などと言及を避けた。
パウエル氏は7月末の会見で…