米国とイランが進めてきたイランの核開発問題に関する協議は、イスラエルが協議の進捗(しんちょく)を待たずにイラン攻撃に踏み切ったことで15日の協議が中止となり、一気に暗雲がたれこめるかたちになった。協議が完全に頓挫すれば、停戦が遠のくばかりか、紛争が拡大する恐れがある。
協議の仲介役を務めるオマーンのバドル外相が14日、6回目の協議中止をSNS上で発表した。バドル氏は「外交と対話が永続的な平和への唯一の道だ」と協議継続への期待をにじませた。
協議はイランに核武装させないことを目的に、トランプ米大統領がイラン最高指導者のハメネイ師に交渉を要求して4月12日に開始。ウラン濃縮などイランの核開発活動を大幅に制限する見返りに米国がイランに科している経済制裁などを緩和するという合意を目指していた。協議はイランにウラン濃縮を認めるかどうかをめぐって膠着(こうちゃく)状態に陥っていたが、米国は協議を理由にイスラエルに自重を促していた。
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