Three Mile Island, Notorious in Nuclear Power’s Past, May Herald Its Future
半世紀近く前、米ペンシルベニア州の州都ハリスバーグの南(訳注:南東)に位置する細長い土地にそびえるコンクリート製の冷却塔は、原子力エネルギーのリスクを象徴する存在となった。
そして現在、そのスリーマイル島原発では、2基ある原子炉のうち1基を再稼働させる計画が進行中だ。米国では、家庭や企業、データセンターの電力需要が増大する中で、それに対応するため原子力発電への依存を高めようとするさまざまな取り組みが進んでおり、この計画はその最先端の動きだ。
立地はサスケハナ川の中州。フェンスで囲まれ、パイプやバルブ、ポンプ、タービンなどが迷路のように入り組んだ老朽原発の改修を可能にしたのは、巨大テクノロジー企業マイクロソフトの資金援助だ。再稼働は2028年に始まる可能性が高く、同社はその後20年間、この原発が発電するすべての電力を購入することに合意している。
スリーマイル島原発の再生計画は、1979年に原子炉の一つで冷却装置の故障により部分的な炉心溶融[partial meltdown]が発生した事故以降、米国社会の意識に大きな変化が生じていることを映し出している。
かつて激しい反対運動の標的となった原発は、温室効果ガスを排出せず、24時間休みなく[around the clock]大量の発電を行えるため、今や魅力的な存在となっている。
ただし、米国における原子力発電の能力増強が経済的に割に合う[pencil out]かどうかは不透明だ。
スリーマイル島原発のうち部分的な炉心溶融を免れた方の原子炉を再稼働する取り組みは、予定期間や予算を大幅に超過することで知られるこの業界にとって、約束通り結果を出せるかが早期に問われる試金石となる。
- 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」
原発に資金を投じるのは、マイクロソフトだけではありません。NYTによると、グーグルもアマゾンも、小型原子炉の開発に取り組む新興企業と契約したそうです。
99年にスリーマイル島の原…