2024年6月17日、米メリーランド州で大麻をめぐり恩赦を与える行政命令に署名したムーア知事(前列右)=AP

 米東部メリーランド州のムーア知事(民主)は17日、大麻所持などによる17万5千件の有罪判決を恩赦するための行政命令に署名した。米国では大麻合法化への動きが各州で進み、とりわけ前科によって不利益を被ることが多い黒人への救済が今回の恩赦の背景にある。

  • 【バイデン政権も】米政府、大麻の危険性を「低レベル」に分類へ 進む規制緩和 米報道

 メリーランド州で初の黒人知事であるムーア知事は、今回の恩赦は「州レベルとしては米国史上、最も広範囲なものだ」とする。大麻所持などによる軽犯罪の前科が対象で、収監中の人を釈放することはないという。

 メリーランド州は2022年の住民投票で、娯楽用の大麻使用の合法化を決めた。だが、合法化前に有罪判決を受けた人は、前科の記録が残っていることによって、雇用や住宅の契約、教育などの機会を得られないことが問題となっていた。

 とりわけ黒人やラテン系の市…

共有
Exit mobile version