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2025年3月16日、大統領専用機「エアフォース・ワン」で記者団に話すトランプ米大統領=ロイター

 トランプ米大統領は16日、ロシアのプーチン大統領との協議を18日に行う予定だと語った。ロシア側も認めた。ロシアの全面侵攻を受けるウクライナが米国と合意した30日間の即時停戦案にプーチン氏は否定的な姿勢を示しているが、事態が進展するかが注目される。

 トランプ氏は、自身の私邸があるフロリダ州からワシントンに向かう大統領専用機の中で記者団の取材に応じた。AP通信によると、「ロシアとはかなりうまくやっていると思う。火曜日にプーチン大統領と話す予定だ。戦争を終わらせることができるかどうか確かめたい」と述べた。ロシアのペスコフ大統領報道官も17日、報道陣の質問に、「火曜日に協議の用意がある」と認めた。

 ロシアに融和的な姿勢を見せる米国は、13日にウィトコフ中東担当特使がプーチン氏とモスクワで会談。15日にはルビオ国務長官がロシアのラブロフ外相と電話協議するなど、首脳同士の協議に向けた地ならしを進めていた。

 ただ、プーチン氏は13日にウイトコフ氏と会談する前の記者会見で「戦闘行為を終わらせる提案には同意する」としつつ、「根本的な原因の排除が必要だ」として現状の案には否定的な考えを示していた。

 ウクライナに北大西洋条約機構(NATO)への加盟を断念させ、ロシアが一方的に併合を宣言した占領地を放棄させるといった要求は変わっていない。17日にも、ロシアのグルシコ外務次官がロシアメディアの記事で「ウクライナ和平では、合意の一部に鉄壁の安全保障を要求する」と述べた。

 トランプ氏は、ロシアが停戦に応じない場合、追加制裁などで圧力を強める考えを示しているが、いまのところプーチン氏はトランプ氏にも譲歩に応じる姿勢は見せておらず、交渉が難航する可能性も小さくない。

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