米下院は20日、共和党内の反対で停滞していたウクライナ支援の法案を超党派の賛成で可決しました。総額は約610億ドル(約9.4兆円)。バイデン大統領は法案に署名する意向で、上院での可決を経て近く成立する見通しです。ウクライナのゼレンスキー大統領は「命を救う決定だ」と謝意を表明。ロシア側は反発しています。
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■■■4月21日(日本時間)■■■
17:00(ベルリン10:00)
米下院の決定、欧州首脳らも歓迎
米下院が20日、ウクライナ支援の法案を可決したことについて、欧州の首脳らからも歓迎の声があがった。
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は同日、自身のX(旧ツイッター)に「欧州と北米の全体がより安全になる」と投稿した。欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長も同日、「大西洋を越えた同盟は自由と民主主義を支持することで団結している」とXに投稿した。ドイツのショルツ首相も21日、「米下院の決定は、このような時代における強いシグナルだ」として歓迎した。
03:35(モスクワ20日21:35)
ロシア報道官「ウクライナをさらに堕落」 米下院の支援法案可決に
ロシア国営ノーボスチ通信によると、同国のペスコフ大統領報道官は20日、米下院がウクライナ支援法案を可決させたことについて、「ウクライナをさらに堕落させ、死亡するウクライナ人を増やすことになる」と述べた。法案について「米国を金持ちにする」とも話したが、ウクライナへの武器・弾薬提供が米軍需産業の利益にもなることを皮肉ったとみられる。
03:30(キーウ20日21:30)
ゼレンスキー大統領、米国に謝意「命を救う決定だ」
米下院がウクライナ支援の法案を可決したことについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は20日夜、SNSやビデオ演説で「命を救う決定だ」と述べ、米国に謝意を示した。
ゼレンスキー氏は、ジョンソン米下院議長の名前を挙げて感謝。「米国は(2022年2月に)この戦争が始まった最初期からリーダーシップを見せてくれた」とし、「米国の支援をいかしてウクライナ、米国双方を強くし、戦争を正当な終結に近づける」と誓った。
ウクライナにとって法案の可決は「長らく待ち望んでいた決定」(ゼレンスキー氏)。シュミハリ首相は今月17日、英公共放送BBCのインタビューに対し、支援が滞った場合は国際的な安全保障システムがむしばまれ、「最終的には第3次大戦につながる可能性がある」と語っていた。
■バイデン氏、米下院のウクラ…