価格高騰などでコメへの関心の高まりに合わせたように、コメ向け防虫剤の人気が高まっている。
エステーが2003年に発売した、米びつ用防虫剤「米唐番(こめとうばん)」の25年3月期の売り上げは、前年比18%増の約20億円と過去最高だった。23年4月と24年9月の2度値上げをしたが、好調な販売が続いたという。
米唐番は、唐辛子や発酵アルコールなどが含まれたゼリーが容器の中に入っており、ゾウムシなどの害虫を防ぐ効果があるという。
エステーの上月洋社長は9日の決算会見で、「お米が(店頭に)あったときに購入し、家庭内でストックの量が増えると、長期間保存することになる。虫がわく心配をした人がいたのでは」と推測する。コメ不足により、米唐番が売られているコメ売り場に客が立ち寄る頻度が高まったことも一因とみる。
また、エステーが発表した25年3月期の売上高は前年比8.2%増の481億円。本業のもうけを示す営業利益は同15.1%増の15億円で、最終的なもうけを示す純利益は前年の約2.6倍となる32億円だった。