シャングリラ・ダイアローグで演説するヘグセス米国防長官=2025年5月31日、シンガポール、長島一浩撮影

 米国のヘグセス国防長官と中国の董軍国防相が9日、オンラインで会談した。1月の第2次トランプ政権の発足後、米中の国防当局トップが会談するのは初めて。また米国務省によると、ルビオ国務長官と王毅(ワンイー)共産党政治局員兼外相も10日に協議し、ルビオ氏は「開かれた建設的な対話の重要性」を強調した。

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 中国国防省によると、国防相の会談は米国側の求めに応じて行われ、台湾海峡や南シナ海をめぐる問題などについて意見を交わした。董氏は安定した両軍関係の重要性を指摘した上で、「互いの核心的利益を尊重しなければならない」と主張。米国の台湾への武器供与を念頭に「武力で独立を助ける試みは全て失敗する」と牽制(けんせい)した。

 米国防総省の発表によると、ヘグセス氏は、「米国は中国との紛争を求めておらず、中国の体制転換や首を絞めるようなことも望んでいない」という米側の意思を明確に伝えた。一方で「アジア太平洋地域における米国の極めて重要な利益を決然と守る」とも主張した。議論は「率直かつ建設的」であり、今後も議論を続けることで合意した。

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