JAの倉庫に保管される新潟県産のコメ=2024年9月12日午前11時30分、新潟市西蒲区、友永翔大撮影

 凶作時しか備蓄米を放出しないとしてきた方針を、農林水産省が転換する。当初のもくろみが外れ、新米の供給が始まっても価格高騰が止まらないためだ。ただ、高い米価を歓迎する生産者に配慮する農水省が、実際に新制度を発動するかは見通せない。単なる「口先介入」に終わり、高止まりが続く恐れもある。

  • 農水省、備蓄米放出の新制度創設へ 一定期間で買い戻し 米価高騰で

 「買い戻しの条件付きでの販売を可能にする」。24日の閣議後記者会見で、江藤拓農水相は備蓄米放出に関する新たな制度を作ると明らかにした。コメの集荷業者を対象に備蓄米を販売し、政府は一定期間後までに同量を買い戻す方針だ。

 これを受け、堂島取引所(大阪市)で取引される10月までのコメの先物価格が、値幅制限近くまで軒並み下落した。

 2024年産の生産量は前年…

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