米の販売価格の高騰を受け、政府は流通不足の緩和に向けて、初めて備蓄米を一時的に放出する。放出を前にした12日、大量の備蓄米が保管された倉庫に記者が入った。

  • 巨大倉庫に山積みの米袋 備蓄米放出、14日に概要公表へ 農水省

 取材が認められた倉庫は埼玉県の郊外にあった。奥行き100メートル、横幅が150メートルほどの巨大な体育館のような建物。中にはバスケットボールコート四つほどの広さの倉庫が八つあり、大型トラックが横付けし、米が運び込まれていた。

倉庫内にうずたかく積まれた備蓄米=2025年2月12日午前11時5分、埼玉県内、西岡臣撮影

 「この奥にあるのが備蓄米です」

 倉庫管理会社の男性社長が高さ数メートル、厚さが数十センチの分厚い扉を開くと、うずたかく積まれたベージュ色の大きな袋が目に入った。中には1トン超の玄米が入り、通路の両側に4袋ずつ、高さ5メートルほどに積まれていた。

【動画】約2万トンの米眠る倉庫 備蓄米の保管現場を訪ねて=西岡臣撮影

 ネズミの侵入を防ぐため、斜めに設置された金属やプラスチック製の板をまたぎ、中に入るとコートを着ていても少し肌寒い。品質管理のため、倉庫内の温度は15度以下、湿度も60%ほどで保たれ、温度計は9度と表示されていた。

次々と運ばれる備蓄米

 奥には、紙袋に入った30キ…

共有
Exit mobile version