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写真・図版
ハーバード大学の外でトランプ政権に抗議する人々=5月29日、米マサチューセッツ州ケンブリッジ、田中恭太撮影

寄稿・私の視点 早稲田大学招聘研究員・鈴木崇弘さん

 米国のトランプ政権による大学への圧力や留学生締め出しで、米国からの頭脳流出が始まり、欧州などの各国が受け入れに乗り出しています。日本はどう対応するべきなのでしょうか。早稲田大学総合政策科学研究所招聘(しょうへい)研究員の鈴木崇弘さんはある沖縄の研究機関を受け皿に、招致を本格化させるべきだと論じています。(寄稿)

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 トランプ大統領の政策が米国の科学研究に深刻な影響を与えている。政府効率化を掲げて科学研究関連の予算や人員を削減し、研究環境を悪化させて研究継続を困難にしている。さらにDEI(多様性・公平性・包摂性)政策や「反ユダヤ主義」への対応などを理由に、名門大学に対して教育方針の見直しを要求し、補助金凍結や研究者・留学生のビザ新規面接停止などの圧力をかけている。

 この強硬な姿勢は大学側の妥協や方針転換を招き、研究費や人員の削減なども起きている。大学・研究者の間の対立や、科学的知見を軽視する風潮を生み、社会の混乱を招いている。

 深刻なのは、これらの政策が…

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