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2024年8月20日、エジプトを訪問し、シーシ大統領(右)と会談したブリンケン米国務長官=ロイター

 中東を訪れているブリンケン米国務長官は20日、エジプトでシーシ大統領と会談した。米国務省によると、両国とカタールが仲介している、パレスチナ自治区ガザでの停戦とイスラム組織ハマスが拘束している人質の解放に向けた取り組みを協議した。

 ロイター通信によると、シーシ氏は「ガザでの停戦は、パレスチナ国家がより広く国際的に認められ、2国家解決策実現の始まりにならなければいけない」と述べたという。

 ブリンケン氏はその後カタールも訪れた。AFP通信によると、当初はタミム首長と会談する予定だったが、タミム氏の体調不良により、後日、電話協議することにしたという。外遊中のムハンマド首相兼外相とはこの日、電話で協議した。

 両国での日程を終えたブリンケン氏はカタールで記者団に「停戦と人質の合意をゴールラインに到達させる必要がある。日を追うごとに人質の健康と命が危険にさらされ、ガザでは毎日女性、子ども、男性が十分な食料や医療品を手に入れられず苦しんでいる。一刻を争うのだ」と述べた。

 米国は16日に、イスラエルとハマスの溝を埋めるための調停案を提示し、イスラエルへの働きかけを強めてきた。エジプトとカタールはハマスと接触を重ねているといい、ブリンケン氏は仲介役の3カ国は「完全に団結している」と語った。イスラエルとハマスの主張の間にはなお隔たりがあり、双方の指導者に対して「最大限の柔軟性」を持つよう求めた。(シカゴ=下司佳代子)

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