米国防総省は8日、北大西洋条約機構(NATO)軍事委員会の米軍代表を務めるチャットフィールド海軍中将を解任したと発表した。「指導力に対する信頼を失った」としている。詳しい理由は明らかになっていないが、トランプ政権はかねて「DEI」(多様性・公平性・包摂性)の推進を批判しており、これを人事に反映した可能性がある。
これに先立ち米紙ワシントン・ポストは7日、チャットフィールド氏の解任を報じていた。同紙によると、チャットフィールド氏は2019年、女性として初めて米海軍大学校の校長に就任。この際、多様性の尊重を訴えていた。トランプ氏が1月に大統領に就任して以来、米軍高官の解任は少なくとも9人目で、4人が女性だという。
トランプ政権はNATOの加盟国が安全保障面で米国に依存しているとして批判を強めている。米政治サイト「ポリティコ」はチャットフィールド氏の解任が「不安定になりつつある米国と同盟国の関係にさらなる緊張を加えることになる」と報じた。