アジア安全保障会議で演説するヘグセス米国防長官=2025年5月31日午前8時38分、シンガポール、長島一浩撮影

 米国防総省は1日、ヘグセス国防長官が豪州のマールズ国防相と会談し、豪州の防衛費について「できるだけ早く、国内総生産(GDP)比で3・5%に増額すべきだ」と伝えたと明らかにした。豪州の防衛費は現在、GDP比で約2%。ヘグセス氏は同盟国である豪州に対し、具体的な数値を挙げて防衛費の大幅増を迫った形となる。

 会談は「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)に合わせてシンガポールで行われた。米国防総省の発表によると、両氏は会談で、豪州における米軍の態勢や防衛産業における協力の推進などをめぐっても協議した。

 ヘグセス氏は5月31日のアジア安全保障会議での演説では、北大西洋条約機構(NATO)の国々がGDP比5%の防衛費の支出を目指しているとした上で、「より手ごわい脅威に直面しているアジアの同盟国の防衛費の支出のほうが少ないのは理にかなわない」と述べ、アジアの同盟国が防衛費を増やすべきだとの認識を示した。

 またヘグセス氏は31日の朝…

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