Smiley face
2024年6月4日、カンボジアで会談したティア・セイハ国防相(右)とオースティン米国防長官=清宮涼撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 オースティン米国防長官が4日、カンボジアを訪問し、フン・マネット首相らと防衛協力をめぐり協議した。カンボジアの海軍基地に中国艦船が停泊していることが明らかになるなど、軍事的にも接近するカンボジアと中国の関係にくさびを打つ狙いがある。

  • 衝突回避へ意思疎通の部会開催で一致 米中国防相が1年半ぶり会談

 オースティン氏はこの日、フン・マネット氏や現在上院議長を務めるフン・セン前首相、ティア・セイハ国防相と会談した。米国防総省によると、この日の会談では「地域の平和と安全」のための防衛協力を協議。災害対応など、米カンボジア二国間の軍の訓練における交流の再開に向けても議論した。

 カンボジア側の発表によると、フン・セン氏は会談で、対話不足を課題に挙げ、「特に(中国の介入が疑われている)国防分野での対話は、互いの疑念を払拭(ふっしょく)し、信頼を築くための優先事項だ」と述べた。そのうえで、米中対立を念頭に「カンボジアを地政学的な競争の場として利用しないでほしい」と求めた。

 オースティン氏はこの日、滞在先のシンガポールから日帰りでカンボジアを訪問した。短時間での訪問の背景にあるのは、カンボジアと中国の軍事面での接近への危機感だ。

知米派の首相に対する期待も

 カンボジアはフン・セン前政…

共有