サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は29日、北京の人民大会堂で習近平(シーチンピン)国家主席と会談した。これに先立ち、中国軍の制服組トップの張又俠・中央軍事委員会副主席と会談。3日間の訪中の主要日程を終えた。
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米大統領選が11月に迫るなか、軍事的衝突を避けるための意思疎通の意義を互いに確認する、節目の外交交渉となった。
中国外務省によると、習氏はサリバン氏との会談で、「互いの発展を挑戦ではなく好機と捉え、両大国が正しく付き合う道を見つけ出すことを望む」と述べた。米政府によると、数週間以内にバイデン大統領と習氏が電話で協議できるよう調整を進め、米中間で対話を続けていくことを確認した。台湾問題やロシアのウクライナ侵攻、南シナ海問題などをめぐっても協議した。
サリバン氏はホワイトハウスで外交を担う最も重要な高官だ。27~28日には、中国の外交部門トップを務める王毅(ワンイー)・共産党政治局員兼外相と会談した。米政府によると、米中両軍の司令官による「近い将来」の電話協議の実施でも一致した。
バイデン氏と習氏による対面の米中首脳会談について協議した可能性もある。バイデン氏は2025年1月に退任するため、今後数カ月以内に実現できれば、任期中、最後の習氏との会談になる。
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