「トランプ関税」は今後、米国や世界の経済にどんな影響を与えるのか。米国では夏の間に、関税が物価高(インフレ)をあおり始めるかどうかが焦点だ。関税政策の展開次第では、世界成長率の下押し圧力の強まりや、サプライチェーン(供給網)の混乱などが心配される。
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米エール大予算研究所(TBL)によると、米国の平均実効関税率は20.2%で、これは1911年以来約100年ぶりの高さ。中国などへの高関税があだとなり、短期的に靴の価格を40%、衣料品を36%上昇させるという。
関税による局所的な輸入品の値上がりが、広範な物価高(インフレ)に発展する。そんな最悪のシナリオに神経をとがらせるのが、米国の物価の安定をつかさどる中央銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)だ。
今年6月下旬、米議会下院の…