Smiley face
写真・図版
米ニューヨークで2025年3月14日、コロンビア大学の外で行われたマフムード・カリル氏の拘束を非難するデモで、祈りを捧げるイスラム教徒の参加者ら=AP

 米国で3月に移民当局に拘束された元コロンビア大院生をめぐり、米政府が、犯罪行為などではなく、パレスチナ関連の抗議活動への関わりを理由に国外追放に動いていたことを示す内部文書が明らかになった。元大学院生の弁護士は「言論の自由が狙われた」と批判。各地では学生ビザが突然取り消される事例も相次いでおり、不安が広がっている。

 元大学院生はシリア生まれのマフムード・カリル氏。米国の永住権を持っていた。昨年同大であった、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に対する抗議デモの中心人物だった。

 AP通信によると、米政府はカリル氏側が起こした訴訟で、国務省が拘束前に作成した文書を提出した。文書は同氏を「反ユダヤ主義の抗議活動や破壊的活動」に関わり「米国のユダヤ人学生に敵対的な環境を助長した」と指摘。「反ユダヤ主義と戦う米国の政策を害する」などとし、移民国籍法に基づく追放の対象だとの判断を示していた。

 文書には犯罪への関与につい…

共有