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米ワシントンで2025年5月21日、連邦議会下院の委員会に出席したルビオ国務長官=AP

 トランプ米政権は28日、米国に滞在する中国人学生のビザを「積極的に取り消す」とする方針を発表した。さらに、中国と香港からのすべてのビザ申請について審査を強化するため「ビザの発給基準を見直す」とも表明。中国側の反発は必至で、貿易戦争や軍事面での競争を続ける両国にあらたな摩擦を生みそうだ。

 ルビオ国務長官が「中国ではなく、米国第一の新たなビザ政策」と題する声明で明らかにした。今後、トランプ大統領の指導の下、国土安全保障省と協力して対応を進めるという。ビザを取り消す対象には「中国共産党と関係のある学生や重要分野を専攻する学生を含む中国人学生」を挙げている。「重要分野」が具体的に何を指すかは明示していないが、米紙ニューヨーク・タイムズは物理科学である可能性が高いと指摘している。

 留学生受け入れの厳格化を進めるトランプ政権は、リベラルな傾向のある大学への締め付けも強めている。ハーバード大に対しては、留学生を受け入れるための認可を停止したと22日に発表。国土安全保障省のノーム長官はその際、理由を「学内での暴力の助長や反ユダヤ主義」のほか、「中国共産党との関係」についても強調していた。

 中国外務省の毛寧報道局長は29日、米国が中国人学生のビザを取り消す方針について「断固反対」を表明。米側に申し入れたとし、「米国のこの政治的な差別行為は、米国の国際的イメージと国家の信用をさらに損なうものでしかない」と非難した。

 中国は米国にとって激しい貿…

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