4月12日、米ハーバード大に対する連邦政府の介入に反対するデモに参加した人々=ロイター。「干渉するな」と書かれたカードを持っている

 トランプ米政権が22日、ハーバード大学に対し、留学生受け入れに必要な認可を停止したと発表した。在籍中の留学生も「転校か法的資格の喪失」を選ばなければならない、と説明。財政基盤を揺さぶることにより、政権の意に反した大学への影響力を強める狙いだ。

 同大によると、留学生は約6800人で学生数の約27%を占める。留学生や研究者の出身国は140カ国を超え、日本人も例年、200~300人が在籍する。大学院では3~5割を留学生が占める場合もあり、年間約6万ドル(約860万円)の学費は大学の重要な財源だ。

 国土安全保障省のノーム長官は決定について「学内での暴力の助長、反ユダヤ主義、中国共産党との関係について、政権としてハーバード大に説明責任を果たさせる」と主張。「大学が留学生を入学させ、高い学費を払わせて利益を得るのは権利ではない。(恵まれた者だけに認められた)特権にすぎない」とも述べた。

 ハーバード大は声明で「政権の行動は違法だ」と批判。留学生の受け入れ資格について「維持する強い決意だ」とし、学生らに速やかな支援を提供する方針を示した。「(政権の)報復的な行動は、ハーバードや我々の国に深刻な損害を与えかねない」とも指摘。AP通信によると、23日には、政権の決定は違憲だとして、ボストンの裁判所にトランプ政権を提訴した。暫定的な差し止め命令を求める方針を示している。

 司法の判断で処分が覆る可能性はあるが、新年度が始まる秋からの新入生を含め、留学生は不安定な立場に追い込まれた。米国の大学が留学生を受け入れるには、国土安全保障省の「学生・交流訪問者プログラム(SEVP)」の認可を受ける必要がある。認可が取り消されれば、留学生に対して必要な公的書類を発行できない。

 ノーム氏は22日、大学側に…

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