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 妊娠を続けるために必要な黄体ホルモンのはたらきを抑える経口薬のミフェプリストン(右)。この薬をのんだ後、子宮を収縮させるはたらきがあるミソプロストール(左)をのむことで中絶に至らせる=2024年6月6日、米マサチューセッツ州、遠田寛生撮影

 米連邦最高裁は13日、人工妊娠中絶のための飲み薬(経口中絶薬)の認可差し止めをめぐる訴訟で、訴えた中絶反対派の医師たちに原告となる資格がないと判断した。米食品医薬品局(FDA)の承認の是非については判断せず、米国でこの経口中絶薬を使い続けられることになった。

 最高裁が2022年、妊娠中絶の権利を認めた従来の判決を半世紀ぶりに覆す判断を下して以降、中絶はいっそう政治問題化し、反対派と擁護派が中絶へのアクセスをめぐって様々な手法で争っている。

 この訴訟をめぐっては、米テキサス州の連邦地裁が23年、FDAの承認プロセスに問題があったとして承認を差し止めたことで、この薬が使えなくなるのではないかと注目が集まっていた。

 最高裁は13日、連邦裁判所は「市民が政府の仕事の進め方に一般的な苦情を申し立てる場ではない」と指摘。原告となるには、損害を被ったり、被る可能性が高かったりする立場であることが必要だが、訴えた医師たちはその立場にないと判断した。

 この判断には9人の最高裁判事全員が賛成した。

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