バイデン米大統領は29日、連邦最高裁の判事の任期を終身制から18年に変更することを含む改革案を発表した。実現するには連邦議会による法整備が必要で、下院の多数派を共和党が握る現状では厳しい状況。バイデン氏には提案することで、11月の大統領選に向け最高裁をめぐる問題を争点とし、選挙戦を有利に運ぼうとする狙いがありそうだ。
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バイデン氏は29日、テキサス州で演説し、「最高裁の判断が過激化し、国民の信頼を損なっている」と主張し、改革案を明らかにした。
提案には三つの柱があり、9人いる判事の任期を18年として大統領が2年ごとに新たに1人の判事を指名すること、大統領の在任中に犯した罪を免責しないこと、強制力のある倫理規則を定めることを挙げている。
近年の最高裁判決を受け
背景にあるのが、最高裁が今月、大統領の公的行為は原則として免責されると判断したことだ。これにより、複数の事件で起訴されているトランプ前大統領は一部について免責される見通しになった。
バイデン氏はこの判断に対し、「大統領であっても、法の上に立つ者はいない。しかし、それは根本的に変わった」と批判していた。
最高裁が2年前に中絶の権利を憲法上の権利と認めた「ロー対ウェード」判決を覆したことも大きい。この判決は全米で多くの抗議運動を引き起こした。
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