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統計

 米労働省が10日発表した3月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で3.5%上昇した。上昇率は前月の3.2%を0.3ポイント上回り、2カ月連続で加速。事前の市場予想(3.4%)も上回った。米連邦準備制度理事会(FRB)は物価高(インフレ)を抑え込むため、当面は高い政策金利を維持する見通しだ。

 FRBはインフレを抑えるため利上げを繰り返し、政策金利を2001年以来の高水準(5.25~5.50%)に引き上げた。CPIの上昇率は22年6月に9.1%とピークに達し、徐々に鈍化した。しかし、直近では10カ月連続で3%台と足踏みが続く。家賃の値上がりや人手不足による賃金上昇を受け、特にサービス部門のインフレが続いている。

 FRBは年内に利下げを始める見通しだが、パウエルFRB議長は「(物価上昇率が)持続的に2%まで低下しているのを確信」することが必要だとしている。FRBは今後の物価や経済の動向を見極め、利下げ時期を慎重に判断することになる。(ニューヨーク=真海喬生)

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