【動画】硫黄島で艦載機部隊の訓練「FCLP」公開=奥村智司撮影
在日米海軍は25日、硫黄島(東京都小笠原村)で行われる空母艦載機の訓練を6年ぶりに公開した。陸上の滑走路を空母の甲板に見立てて離着陸を繰り返す「FCLP」と呼ばれる訓練で、ステルス戦闘機F35Cなどの爆音が島に響いた。
高速で降下してきた機体のタイヤが滑走路に着いた瞬間に出力を上げて離陸、上昇する。大気をつんざくような轟音(ごうおん)が耳栓越しに鼓膜を震わせ、体の中まで響いた。一瞬の着陸で機体のタイヤから煙が上がり、焦げた臭いが漂う。
報道陣は滑走路から数十メートル離れた地点から、その様子を撮影した。1分ほどの間隔で複数の機体が次々に目の前を通り過ぎ、顔や腕に付いた黒い汚れは、タイヤの「飛沫(ひまつ)」だと米軍関係者に教えられた。
FCLPは横須賀基地(神奈川県)に配備された米空母の出港を控えた毎年5月に実施されている。19日に始まった今年の訓練は31日までの予定だという。報道陣への公開は、新型コロナ禍に伴う中断を経て6年ぶりで、政府はこの間、米側の求めに応じてFCLPの実施場所を鹿児島県の種子島に近い無人島、馬毛島に移転することを決定した。滑走路を含む自衛隊基地の建設が現地で進められている。
硫黄島は太平洋戦争末期の激…