米下院は20日、イスラエル支援やパレスチナ自治区ガザへの人道支援などを盛り込んだ法案を超党派の賛成で可決した。イスラエル軍が攻撃を続けるガザでは3万4千人以上が死亡しており、イスラエルに対する米国の武器支援には国内外から批判の声が出ている。今回の支援は、どのようなものなのか。
米下院が可決したイスラエル支援法案は、総額約264億ドル(約4.1兆円)。「イランやその代理勢力から身を守ろうとするイスラエルを支援する」として、防空システムの強化や先進的な兵器の調達などに必要な費用が盛り込まれている。
主な項目は、「アイアンドーム」などの防空システム強化に40億ドル▽先進的な兵器や装備品などの調達に35億ドル▽最近の中東情勢に応じた米軍の作戦に24億ドルなどだ。食料や避難所の提供を含むガザなどへの人道支援にも、92億ドルを計上した。
法案はさらに、パレスチナ難民を支援する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への送金を禁止している。UNRWAは、一部の職員が昨年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃に関与した疑いがもたれ、米欧の批判を浴びていた。
防空強化迫られるイスラエル
イランが今月中旬に仕掛けた…