米軍普天間飛行場を飛び立つオスプレイ=2024年3月14日午前8時53分、沖縄県宜野湾市、上田潤撮影

 米軍が輸送機オスプレイの飛行を一時的に停止したことが9日、わかった。11月にニューメキシコ州で事故が起きたことを受け、米海軍航空システム司令部がオスプレイの飛行を一時的に停止するよう今月6日に提言し、日本政府にも通知した。

  • オスプレイ事故、重なった故障と判断ミス 訓練遂行のプレッシャーも

 米空軍特殊作戦司令部によると、11月20日、ニューメキシコ州の空軍基地で訓練中のオスプレイが緊急着陸した。けが人はなかったが、事故調査の初期の情報によると、これまでになかった機材の故障が見つかった。「追加の措置が必要か判断するための分析が行われている」という。

 海兵隊は緊急性のない飛行を96時間停止することを決めた。AP通信によると、空軍と海軍も飛行を停止した。

 米軍での飛行停止措置を受けて、陸上自衛隊は10日午後、陸自が保有するオスプレイ17機について「任務飛行をのぞき、一時的に飛行を見合わせた」と明らかにした。米側に対し、飛行停止に至った事情について「詳細を確認中」とし、「安全確保が最優先との観点から、独自に判断した」と説明した。

 中谷元・防衛相はこれに先立ち、10日午前、米軍オスプレイの飛行停止について「米側に確認中だ」と記者団に語り、自衛隊が保有するオスプレイの運用については「確認結果を踏まえ、適切に対応する」と述べていた。

 陸自はオスプレイの運用見合わせを繰り返している。米空軍オスプレイが昨年11月に鹿児島県屋久島沖で墜落し、搭乗員8人が死亡した事故では、今年3月まで運用を停止。10月末に沖縄県の与那国駐屯地で陸自オスプレイが離陸時に事故を起こした際も飛行をとりやめ、先月再開したばかりだった。オスプレイの安全性については、米議会でも疑問視する声が上がっている。

 屋久島沖の事故について、米空軍航空機事故調査委員会は8月に公表した報告書で、機体左側のギアボックスで連鎖的な不具合が突然生じ、墜落したと結論づけた。

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