【動画】三沢F16デモチームがラストフライト=鵜沼照都撮影
米太平洋空軍(PACAF)のF16戦闘機デモンストレーションチームが5月30日、ホームとしてきた青森県三沢市の米軍三沢基地でラストフライトを行った。米軍は三沢基地に配備しているF16戦闘機36機を今夏から数年かけて最新鋭のステルス戦闘機F35A48機に置き換える予定で、デモチームもこれに伴い解散する。
ラストフライトは、18代目のデモパイロットでチーム司令官のイーサン・スミス大尉が担当。三沢基地上空で、急旋回や急上昇、超低速飛行などを約15分にわたって披露した。
デモ飛行を終え着陸したスミス大尉は、チームのメンバーらに抱えられ、右翼端のミサイルを装着するハードポイントに粘着テープでぐるぐる巻きにされる手荒い祝福を受けた。「地域の一員として活動出来たことを誇りに思う。きょうは満点の出来だった」と話した。
PACAFのF16デモチームは、同機のブロック50型をデモ機にして、1995年に設立。三沢基地の第35戦闘航空団には85年からF16が配備されており、チームの拠点となった。日本国内だけでなく、韓国やインド、マレーシアなどでもF16の性能をPRし続けた。
一方、デモ飛行の目的が戦闘機の性能紹介であることから、飛行内容は急上昇や急降下、急旋回、高速機動などで構成されており、三沢基地で行われてきた訓練では騒音だけでなく事故への不安感も周辺住民に与え続けてきた。
三沢市によると、デモフライトの訓練は、多い時では年間80回を超える通告があったが、「実際に何回行われていたかはわからない」という。県や三沢市などは、通告の度に「市民に不安や苦痛を与える」として飛行中止を申し入れていた。