東南アジア諸国連合の各国の国防相らとの会談で、あいさつするヘグセス米国防長官=2025年5月30日午後4時33分、シンガポール、長島一浩撮影

 ヘグセス米国防長官と東南アジア諸国連合(ASEAN)の国防相らが30日、訪問先のシンガポールで会談した。ヘグセス氏は「自由で開かれたインド太平洋を脅かす者に対し、我々は団結する」と述べ、中国に対抗する姿勢を鮮明にした。

 会談は、同日夜に開幕した「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)にあわせて開かれた。アジア太平洋地域や米欧の国防相らが集まり、対話する。同日夜にはマクロン仏大統領が演説した。

 トランプ大統領の東南アジアに対する関心の薄さを不安視する見方もあるなか、ヘグセス氏は「同盟国や友好国と協力し、インド太平洋における中国共産党の侵略を抑止することに尽力している」と強調。ASEANとの安全保障協力の重要性を訴え、「侵略を抑止し、力による平和を実現できると確信している」と訴えた。

 トランプ政権が東南アジア各国に高い関税を課すなか、中国は習近平(シーチンピン)国家主席が4月に東南アジアを歴訪するなど、外交攻勢を強めている。米側としては今回、中国に対抗し、東南アジア各国に関与する姿勢をアピールする狙いがある。

「米国離れ」の雰囲気も

 一方、経済成長の維持を重視…

共有
Exit mobile version