米ワシントンで7月31日、記者会見に臨む米連邦準備制度理事会のパウエル議長=AFP時事

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が「9月利下げ」の可能性を視野に入れるのは、高金利が雇用や経済を冷やしすぎる副作用を心配するからだ。インフレ(物価上昇)の抑制一辺倒だったFRBは、経済全体への目配りに重心を移しつつある。ただ、利下げは常にインフレ再燃の可能性をはらみ、トランプ前大統領の攻撃を招く政治リスクも抱えこむ。

 「インフレに100%集中する必要はない」

 7月31日午後、金融政策を決める米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、パウエル氏はこう言いきった。政策金利を2001年以来の高水準となる5.25~5.50%に引き上げた昨年7月には考えられなかった発言だ。

 パウエル氏の自信の背景には…

共有
Exit mobile version