ポルトガルで1日に開かれた主要中央銀行トップの討論会で、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は「自分の仕事をすることだけに集中している」と述べ、利下げを求めるトランプ米大統領の圧力に屈しない姿勢を示した。参加者は大きな拍手で、パウエル氏の姿勢への支持を表明した。
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討論会には、日本銀行の植田和男総裁、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁らが参加した。
トランプ氏は、景気を刺激する利下げをFRBに求め、関税による物価の影響などを見極めるために慎重な姿勢を示すパウエル氏をSNSなどで非難している。
トランプ氏からの攻撃によって仕事が困難になっているかを問われた、パウエル氏が「重要なのは我々のツールを活用し、議会から与えられた目標である、雇用の最大化、物価の安定、金融の安定を達成することだ。それが我々の100%集中することだ」と述べると、会場から大きな拍手が起きた。
続けて、同じような状況ならどう対応するかと聞かれた、ラガルド氏は「我々もパウエル氏がやっていることと全く同じことをやるだろう」と支持を表明し、植田総裁もうなずいた。主要中銀総裁らはトランプ氏の利下げ圧力に屈せず、独立性を守ろうとするパウエル氏にエールを送った形だ。
選挙などで目先の景気を重視…