京都府立医大=京都市上京区

 肥満は2型糖尿病の発症リスクとして知られる。健康診断で示される体格指数の一つ、BMIや腹囲は、肥満を評価する指標として利用され、特定保健指導などに生かされているが、効果が限定的だという指摘もある。

 京都府立医大などの研究チームが、糖尿病の発症予測にもっと効果的な指標がないか15万人超の健診データをもとに調べたところ、男女ともに「腹囲身長比」という指標がより優れていることがわかった。

 論文をオランダの医療専門誌に発表した。女性では「腹囲調整BMI」という指標も優れていた。研究チームの岡田博史・京都府立医大助教(内分泌・代謝内科)は「BMIや腹囲だけでなく、腹囲身長比などにも注目して2型糖尿病の発症の予防につなげてほしい」と呼びかけている。

 研究チームは、大手電機メーカーの社員で2008~21年に健診を受け糖尿病を発症していなかった18~74歳の男女計15万5623人を最大13年追跡した。

 その結果、後に8800人が2型糖尿病を発症。健診データから、BMI(体重〈キロ〉÷身長〈メートル〉÷身長〈メートル〉)と、腹囲、腹囲調整BMI(腹囲〈メートル〉×BMI)、死亡リスクとの関連が指摘されているABSIという指標、腹囲身長比(腹囲〈センチ〉÷身長〈センチ〉)の五つを計算し、糖尿病の発症リスクをまず調べた。

 その結果、ABSIを除く4指標は、標準値から統計上の同じずれに対し1.4~1.5倍程度、発症リスクが上がり、糖尿病のリスク評価に使えるとわかった。

 さらに予測が正確に当たった割合(感度)と外れた割合(偽陽性率)から、これらの指標の有効性を比べたところ、男性では腹囲身長比が、女性では腹囲調整BMIと腹囲身長比が、従来使われているBMIや腹囲より有効だと確認できた。男性では腹囲身長比が0.497、女性では腹囲調整BMIが18.6、腹囲身長比0.51が発症リスクを考える上での一つの目安となるという。

各指標の計算方法(京都府立医大による)

 例えば、身長160センチ…

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