世界貿易機関(WTO)は10日発表した報告書で、イエメンの反政府武装組織フーシが紅海で商船に攻撃している問題を受け、2月に紅海を通過した船舶数は週平均で264隻と1年前より45%以上減ったと分析した。物流の遅れや輸送費の増加で自動車など一部産業で影響があるとした。ただ、世界経済への影響は今のところ「比較的限られている」との見方を示した。
WTOは世界貿易の見通しに関する報告書で「紅海の危機」について分析した。紅海での船舶通過の減少に伴い、アジアと欧州、北米を結ぶルートに使われるスエズ運河を通る貨物量も1年前より半減した。南アフリカの喜望峰経由への切り替えで、アジアと欧州を結ぶ便は輸送日数が平均で17日間延びたと試算した。自動車や肥料など一部商品は物流の遅れなどの影響を受けているとした。
ただ、WTOはアジア―欧州…