浦和実―滋賀学園 八回裏、滋賀学園の大観衆を背に、力投する浦和実先発の石戸=伊藤進之介撮影

 (22日、第97回選抜高校野球大会1回戦 浦和実3―0滋賀学園)

  • 浦和実の先発・石戸が完封 緩急織り交ぜ滋賀学園の打線ほんろう

 浦和実が昨夏の全国8強を破って初勝利をつかんだ。選手たちは勝因に同じ言葉を挙げた。

 指導歴30年以上、辻川正彦監督の口癖である「執念」だ。

 五回、2死から佐々木悠里のたたきつけるような中前安打で先制。四球で満塁とし、4番三島陽之介は内角の直球にどん詰まり。「とにかく野手のいないところへ」。しっかり振り切ったから、飛球は遊撃手の頭上をわずかに越える。2点適時二塁打となった。

 普段は紅白戦も、フリー打撃もできない。練習場に十分な広さがなく、打球が民家に飛ぶ危険があるからだ。環境に言い訳することなく、ネットに向かって「低く強い打球」を打ち込んできた。

 主将の小野蓮は「すごく自信になる。扉をこじ開けた」。広い甲子園で、勝ちどきを上げた。

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