小林製薬は5日に発表した2025年4~6月決算で、紅麴(こうじ)サプリ問題の健康被害を巡る慰謝料などとして22億円の特別損失を追加計上した。昨年3月に発覚した紅麴問題に関連する累計の損失は、これで約150億円となった。
同社は「今後は、大きな損失計上は想定していない」と、今回の損失計上で一つの節目を迎えたとした。一方、補償対象には主な被害とされる腎障害以外の疾患や症状を含めているとしつつ、詳しい説明は避けた。
同社によると、被害補償を巡っては7月末時点で約1310人から問い合わせがあり、約840人が実際に申請した。書類の確認が済んだ約780人のうち、サプリを飲んでいなかった人などを除く約6割が補償の対象となっている。合意の上、すでに支払った人も約100人いるという。死亡事例の相談については、現状でも「サプリとの因果関係が明らかになった人はいない」としている。
健康被害の発覚から1年超が経ち、症状が落ち着いて補償額の推計が可能になるケースが増えており、補償の引当金を16億円追加するなどしたという。24年12月期に127億円、25年1~3月期にも7億円の特損を計上していた。
昨年3月に発覚した健康被害…