国連児童基金(ユニセフ)は、紛争地域に暮らす子どもが4億7300万人を超え、武力紛争による子どもたちへの影響が「過去最悪のレベルに至った」と明らかにした。
ユニセフの28日付の声明によると、紛争地域に暮らす世界の子どもの割合は、1990年代は1割ほどだったが、現在は2割近くなり、6人に1人以上に相当するという。今年はパレスチナ自治区、レバノン、ミャンマー、スーダンなどでの紛争の激化により、住まいを追われた人が増加。難民の約4割、国内避難民の約5割が子どもたちだという。
紛争地域では、5200万人以上の子どもが学校に通えていないと推定される。パレスチナ自治区ガザの子どもたちは学校に1年以上通えず、ウクライナ、コンゴ民主共和国、シリアなどでも学校の破壊などによって数百万人の子どもが学習機会を失っているとみられる。
ユニセフのキャサリン・ラッセル事務局長は「2024年は、紛争の影響を受けた子どもの数と、彼らの生活への影響という両方の観点から見て、ユニセフの歴史上、最悪の年の一つとなった。子どもたちが、世界の戦争の巻き添えとなることを許してはいけない」と述べた。