フィリピン南部ミンダナオ島で独立を求めるイスラム武装組織が政府と和平合意を結んでから今年で10年となった。和平プロセスに関与してきた国際協力機構(JICA)は7日、フィリピン政府の高官らを招いたシンポジウムを東京都内で開催。欧州や中東で紛争が続く中、国際的な支援のもとで進んだ和平プロセスの意義について意見を交わした。
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キリスト教徒が多数を占めるフィリピンの中でも、イスラム教徒の多いミンダナオ島西部では、イスラム系住民の一部が分離独立を求め、1960年代から政府と武装闘争を繰り広げてきた。武装組織の一つ「モロ・イスラム解放戦線」(MILF)はフィリピン政府軍と長年、内戦状態にあったが、2014年3月に和平合意を結んだ。来年には議会選挙が行われ、「バンサモロ自治政府」が発足する予定だ。
バンサモロ暫定自治政府のイ…