時代祭に用いられる衣装の虫干し=2025年8月20日、京都市左京区、清水謙司撮影

 京都三大祭りの一つ、時代祭(10月22日)の行列で使われる衣装の虫干しが20日、平安神宮(京都市左京区)であった。晴天のもと、境内の収蔵庫から運び出された紫式部や小野小町、吉田松陰、高杉晋作ら約30人分の衣装箱が並んだ。

 虫干しには防虫のほか、衣装の湿気を取るなどの効果があるという。この日は装束店の関係者らが、いたみの有無などそれぞれの衣装の状態を点検していた。作業を見守った「時代祭考証委員長」の猪熊兼勝・京都橘大名誉教授(考古学)は、「虫干しは今年も時代祭が始まるという意思表示でもあると思います」と話した。

 時代祭は平安神宮の創建を祝って1895(明治28)年に始まった。明治時代から平安時代にさかのぼる形で、各時代の衣装をまとった約2千人の行列が都大路を練り歩く。衣装や祭具は厳密な時代考証に基づいてつくられている。

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