日本の中華料理店などで飲まれている紹興酒の魅力を日本の消費者に知ってもらおうと、中国の酒造メーカー関係者らが工夫を凝らしたPR活動を展開している。中国本土では蒸留酒の「白酒」にすっかり水をあけられているが、関係者は「日本にこそ商機がある」と意気込む。
6月、東京都江東区で開かれた食品関連の展示会。国内外の約650社が参加した会場でひときわ目立っていたのが、黒い屋根瓦に白い壁といった中国の伝統的な建築物を模した紹興酒のブースだ。50年もの間熟成させた1瓶約6万円の品から、コーヒーフレーバーのものまで幅広い商品を紹介し、試飲コーナーも設けた。
出展したのは紹興酒メーカーで最大の生産量を誇る「古越龍山」など、中国の酒造約10社。ブースのスタッフによると、紹興酒の産地である浙江省紹興市も費用を補助したという。
「海外、特に日本で本物の紹興酒が広まり、ブランド力が高まることは紹興酒業界にとって重要だ」。古越龍山東京事務所長の夏良根さん(46)はそう語る。
紹興でつくらなくても「紹興酒」
夏さんによると、紹興酒は米…