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福島県

 東京電力福島第一原発の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の試験的取り出しが作業ミスで延期された問題で、東電の小早川智明社長から斎藤健経済産業相への報告が2日に予定されたが、直前に先送りされた。延期の理由はわかっていない。

 試験的取り出しは8月22日に始める予定だったが、使用する釣りざお式装置を原子炉格納容器内に押し込むパイプの並び順が間違っていたため、延期になった。翌23日に、経産相が「必要な対応を早急に講じて欲しい」と報告を指示していた。

 両者の面会は経産省が2日午前10時半すぎに「午後2時から」と発表した。だが、午後1時すぎに「延期」になった。当日発表された大臣日程が直前に見送られるのは異例だ。

 東電は夕方の定例記者会見で「本日の報告内容について、経産省から『確認したいことがある』という話があり、当社から『改めて精査が必要になったので延期させてほしい』と申し入れた」と説明した。一方で「(延期から)これまで経産省の担当と状況について確認してきた」とし、報告内容について経産省側と事前に調整をしてきたと明かした。

 経産相への報告時期について、東電は「準備が整い次第」としている。(岡本進)

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