ファンの前でオリジナルソングを披露したTEN6。右から早耶歌さん、大木場美鈴さん、青石沙耶さん=2月9日、大阪市中央区、坂上武司撮影

 2月9日夕、大阪市中央区日本橋のライブハウス。真っ暗なステージ上にスポットライトがあたると、軽快なリズムが流れ出す。女性3人組がマイクを持って踊り出した。大阪発のご当地アイドル、「TEN6(テンシックス)」の出番だ。

 2015年1月、大阪市の天神橋筋商店街を盛り上げようと結成された。今年1月、結成10年を迎え、「日本ご当地アイドル活性協会」(金子正男代表)から「殿堂入り」の表彰を贈られた。協会によると、「(ご当地アイドルが)10年続く生存率は3%。奇跡です」という。

結成10年を迎え、日本ご当地アイドル活性協会から殿堂入りの賞状をもらったTEN6のメンバー。右から早耶歌さん、大木場美鈴さん、青石沙耶さん=2月9日、大阪市中央区、坂上武司撮影

 ともに大阪出身の大木場美鈴(おおこばみすず)さんと早耶歌(さやか)さんの2人が正規メンバー。さらに「候補生」として兵庫出身の青石沙耶(あおいしさや)さんが加わって活動をしている。

 15年当時は総勢12人のメンバーでスタートした。だが、その後はスポンサーの撤退、メンバーの「卒業」が続き、TEN6解散の危機はいくどもあったという。

 そんなグループを支えてきたのが、早耶歌さんと大木場さんの2人。17年に2期生で入った早耶歌さんは一度卒業したあと、20年に復帰。同じ時期に入った6期生の大木場さんとコロナ禍も耐えて、TEN6の看板を守ってきた。

アイドルから唐揚げ店へ

 9日のライブを終えた翌10日、早耶歌さんの姿は大阪府門真市にある唐揚げ店の厨房(ちゅうぼう)にあった。ここは、早耶歌さんのもう一つの「舞台」だ。

 24年3月にオープンした店で、早耶歌さんは唐揚げ店や弁当の配送事業などを行う会社の代表でもある。

 「私は今までずっと保険をか…

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