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コロナ禍で配られた特別定額給付金のインターネット申請ページ=2020年5月、山口県防府市

 自民・公明両党が物価対策として夏の参院選の共通公約に盛り込もうとしている「給付」について、SNS上では歓迎と疑問、双方の声が渦巻いている。「節約が大変だから給付うれしい」「貯金に回そうと思う」。中には「前も給付はしたよね。あれ結果的に何がどう変わったんだろう」の声も――。記憶に新しい大規模な給付は、2020年の新型コロナウイルス対策として配られた「特別定額給付金」だ。あの時はどんな効果があったのか調べてみた。

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 特別定額給付金は20年5月下旬以降、年齢や所得にかかわらず、一律で1人10万円が、原則、世帯主の口座に振り込まれた。コロナの影響で減った収入を補い、生活を維持するためとされ、配られたお金は12兆円を超えた。

 内閣府が23年8月に公表した分析では、個人を特定できないよう処理された家計簿アプリのデータを使い、約4.2万サンプルを対象とした。給付金が支給される5週間前~10週間後で、食費や光熱水道費、ATMからの引き出しといった「消費支出」がどう変化したか調べた。

低所得者ほど貢献、だけど…

 所得水準によって三つのグル…

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